薬剤師の話

薬を覚える時にして欲しい2つこと

 

『薬が覚えられない、どーやって覚えるの』

『薬に関して覚える内容が多い』

『覚えたと思っても、実務で全く活かせない』

 

 

新人薬剤師さん、病院・薬局実習を控えている薬学生さん、今年国家試験を控えている6年生の薬学生さんは上記のような悩みをお持ちではないでしょうか。

 

薬価収載されている医療用医薬品は1万5千を超えており、全医薬品の用法用量、注意点など全て覚えるのは不可能です。

『全部覚えなくても薬剤師として成り立つの?』

 

施設で扱っている薬は覚えるべきですが、それでも数としては1000を超えると思いますので、全ての医薬品を覚えるのは不可能です。最低限、よく処方される医薬品のことは覚えておくべきですが、それでも医薬品の名称・用法用量・注意点などを考えると覚えることはかなり多いです。

 

すこし脅してしまいましたが、実は医薬品を覚えるのは難しいことではないと思っています。

繰り返し見る努力は必要ですが、多くの医薬品をしっかり覚えて、実務で活かすには2つのポイントがあります。この2つのポイントを見て実行すれば、以下のようなメリットが生まれます。

 

①医薬品が自然と頭に入る。

②調剤、監査でのインシデントが減る。

③実務で活かせる。

 

 

医薬品を覚える時の2つのポイント

 

1. 医薬品は実物か写真で覚える。

医薬品の名前を覚える時は、添付文書、教科書を眺めててもなかなか覚えられないと思います。

これは字面しか見ておらず、イメージとして頭の中に保存されていないからです。しかし映像が一緒にあると、それぞれの医薬品に色や形がありますのでイメージとして頭の中に保存されやすいです。

すでに薬剤師として働いている新人薬剤師の方は、嫌でも毎日医薬品と触れますからこの点は大丈夫かと思いますが、まだ薬剤師になっていない学生さんは医薬品の画像をインターネットなどで調べてから勉強してみてください。記憶の残り方が全然違うはずです。

実務実習があれば、それは医薬品を覚えるチャンスです、たくさんの医薬品に触れてください。実物に触れるのが一番良いです。なぜなら色・形・サイズ感が体験できるので記憶によく残ってくれます。

医薬品を覚えるのは人を覚えるのと同じです。名前だけだと、その人の特徴は頭に入ってきませんし、印象にも残りません。

小中学校のあまり関わったことのない同級生の名前だけを言われても、何も思い出せませんよね?ただその人の顔写真など見ればなんとなくの特徴を思い出せるはずです。

周りの人に限らず、芸能人の名前・特徴はなんとなくわかると思います。これは繰り返し見ているからです。

医薬品も同じです、繰り返し見れば覚えれますそして繰り返し見ることが一番重要です。しっかり記憶するにはこれしかありません。

繰り返し見ていると、

『この薬、色のわりにきつい副作用あるんだな』

『やさしい形してるのに尖った作用やんけ』

とか、それぞれの医薬品に、あなたなりの特徴が印象づいてきます。

 

 

2. 規格と常用量を意識する。

これを意識するだけで、インシデントを減らすことができ、仮にインシデントをしたとしても患者さんの命を守ることができます。

インシデントはしてはいけないものですが、間違いは誰にでもあります。現にインシデント件数を完全なゼロにはできていません。しかし患者さんの命は絶対に守らなくてはいけません。

インシデントで多いものは数量間違い薬剤取り違え規格間違い剤形間違いです。

数量間違い、剤形の間違いが患者さんの生命を脅かすことはまずありませんが、薬剤取り違え、規格間違いは患者さんの命を奪う可能性があります。

 

処方箋の医薬品部分だけで言うと、次の内容を確認しなければなりません。

医薬品名 剤形 規格 用法用量 総量

※この他に、患者氏名、性別、年齢などありますがここでは置いておきます。

薬剤取り違えが起こる原因は、名前が似ている、見た目が似ているなどです。特に名前に関しては頭の文字、中間や末尾の韻が似ていると間違えやすいです。

しかし名前が類似していても規格は違うことがほとんどなんです。そのため規格を意識していると薬剤取り違えのリスクはぐんと減ります。

 

常用量を意識することのメリットとしては、過小過量投与を防ぐことにあります。常用量を基準として身につけておくと、過小過量に処方されていた場合違和感を感じ、疑義照会につなげることができます。

また常用量をよく理解しているのは薬剤師だけです。医師も自分の分野の医薬品であれば常用量を理解していますが、それ以外の医薬品のことはあまり理解していません。看護師も同じです、所属科の医薬品はある程度理解していますが、それ以外の医薬品のことは理解していないはずです。

さらに常用量を理解していると、医師に処方薬の具体的な提案ができます。患者さんに服薬指導などで会話をしているとよく問題点を見つけます。問題点(便秘、吐き気など)を医師に報告する時、同時に対処薬の用法用量を含めた提案が出来れば薬剤師の信頼度が上がります。

特に看護師さんは常用量の意識はあまりないので、信頼度が上がること請け合いです。

以上、2つのポイントを意識して医薬品を覚えると効率的かつ実務で活かせる知識になっているはずです。

最後に、医薬品をゴロで覚える方法はあまりオススメしません。とりあえず国家試験を合格するためだけであればゴロでも良いと思いますが、特に薬剤師として調剤業務に携わる予定の方には勧めません。

なぜなら、勤めてからゴロは一切使わなくなるからです。私もゴロを多用していましたが、それよりももっと医薬品の実物・写真と特徴をリンクさせておくべきだったと後悔しています。

その方が間違いなく、効率的に医薬品を覚えられるし、働き出してからすぐ使える知識になっています。

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