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ステロイド の服薬指導ポイント

ステロイドの服薬指導ポイントを現役薬剤師が解説します。

 

ステロイドにはプレドニゾロン(プレドニン®︎)、メチルプレドニゾロン(メドロール®︎、ソルメドロール®︎)、ヒドロコルチゾン(コートリル®︎、ソルコーテフ®︎)、デキサメタゾン(デカドロン®︎)、ベタメタゾン(リンデロン®︎)などがあります。

そもそもステロイド とは

ステロイド は人間の臓器である副腎で作られるホルモンであり副腎皮質ホルモンとも呼ばれます。ステロイドは免疫抑制作用・抗炎症作用を持ち、様々な疾患に使用されます。

自己免疫疾患などに使用され治療効果をあらわす薬剤ですが、様々な副作用があり世間一般的には恐い薬剤として知られているかと思います。

 

しかし、正しい使用方法、正しい予防・対応をしていれば恐れることはありません。そのため患者さんにしっかりとした理解をしてもらう必要があります。

 

ステロイドの指導ポイントとしては、

1.医師の指示通り、用法用量をしっかり守る必要がある。

2.副作用は予防と早期発見が重要である。

 

1.医師の指示通り、用法用量をしっかり守る必要がある。

全ての薬に言えることですが、ステロイドに関してはより一層、医師の指示通り投与される必要があります。

一つ目の理由としては、個人で投与方法が異なるためです。

ステロイドは様々な疾患に使用され、それぞれの疾患でガイドラインがあります。1日量を3回に分けたり1回に分けたり、連日投与や隔日投与があったりと投与間隔が異なりますし、また大量から極少量まで幅広い用量が存在します。

投与間隔や用量は、治療効果と副作用の兼ね合いで個人によって異なるため医師の指示通りに投与される必要があります。

 

二つ目の理由は、離脱症候群を避けるためです。

離脱症候群とは、長期にステロイド投与されている患者の急な投与中止・減量により起こる副作用です。

健常人ではプレドニゾロン換算で1日約3mgのステロイドの生理的分泌がありますが、長期のステロイド投与により生理的分泌が低下してしまいます。その結果、急な中止・減量でステロイドが不足し、発熱、吐き気、低血糖、倦怠感などの症状が現れる場合があります。

そのため自己判断で投与中止・減量しないよう患者教育が必要になります。

用法用量は個人で異なりますが、共通していることは高用量から徐々に減量していくことです。少しずつ減らしていくことを漸減といいますが、これがステロイドの投与で非常に重要になります。

 

上記の理由があり医師の指示通りに内服してもらうことが重要と言えます。自己判断での休薬や、減量など内服方法の変更などは行わないことをしっかり理解してもらうよう説明しましょう。

 

 

実際の投与方法としては内服、注射があり、内服ではプレドニゾロン(PSL)が良く使用されます。用量としては1-60mgくらいまでで、そこから少しずつ漸減していくことが多いです。

注射ではメチルプレドニゾロン(mPSL)がよく使用され、500mgか1000mgを、パルス療法として3日間、1時間以上かけて点滴を行います。

 

 

2.副作用は予防と早期発見が重要である。

ステロイドの副作用には軽微なものから重症なものまで幅広くあり、起こりうる副作用は内服する量と期間によって異なります。またステロイドの投与により程度は違えど、ほとんどの人に何かしらの副作用が起こる可能性が高いです。

そのため副作用を説明すると患者さんとしては嫌なイメージを持つことになってしまいますが、予防と早期発見で対処していくことを丁寧に説明することが望まれます。

 

副作用としては以下のようなものがあり、予防可能なもの不可能なもの、早期発見・対処が重要なものがあります。

 

①感染症

ステロイドの免疫抑制により、感染しやすい状態になります。また抗炎症作用もあるため、発熱などの症状を隠してしまう可能性があるため注意が必要になります。投与量が多い場合はST合剤(バクタ)などで感染予防を行う場合があります。

②精神症状

不眠、躁状態になることがありますが、これは投与量が多い時期におこりやすいため漸減で症状が落ち着くこともあります。症状を見て眠剤、抗精神病薬で対応することもあります。

③骨粗鬆症

脆弱性骨折につながり、生命予後にも影響します。そのため長期でステロイドが投与される場合や、骨密度が低い場合などは特に薬物治療が推奨されます。治療薬としては、ビスホスホネート製剤やビタミン製剤など。

④消化性潰瘍

ステロイド単独では消化性潰瘍のリスクになることは統計学的に証明されてはいません。しかし非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は併用されるとそのリスクは上昇してしまいます。臨床現場ではNSAIDsが併用されることが多いため予防しておくのが無難です。そのためプロトンポンプ阻害薬(PPI)を予防内服となることがよくあります。

⑤高血圧、高血糖、高脂血症

いわゆる生活習慣病のリスクが上昇します。これはステロイドによる食欲増進に付随しても起こりうるため、適度な食生活と運動を心がけることが重要です。症状に応じた対処療法として薬物治療が行われる場合もあります。

⑥白内障・緑内障

予防はできないため、早期発見早期対処が望まれます。異常があれば早期の眼科受診が必要です。

⑦ムーンフェイス・ざ瘡(にきび)

ムーンフェイス(満月様顔貌)は中等量以上ではほとんどの方に起こる副作用です。しかし漸減と共に改善していくためこれについても十分な説明が必要です。

ざ瘡(にきび)は若年者で現れやすい副作用です。基本的には皮膚を清潔に保ってもらうこと、重症の場合は皮膚科受診が必要と考えられます。

 

その他にも、筋萎縮、白血球増多、無菌性骨頭壊死などの副作用もあります。

 

 

まとめ

ステロイドについて細かく伝えるには時間がかかるので、患者さんに合わせて要点をしぼって説明する必要があります。特に説明のポイントとして上げた「医師の指示通り、用法用量を守る」こと「副作用は予防と早期発見が重要」であることを伝える必要があると考えます。

また一度の説明でステロイドの全て理解してもらうには不可能なのでパンフレットなどを用いてポイントをおさえた説明がのぞましいです。

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